内容証明郵便とは

1.内容証明郵便とは?

内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、郵便局側が証明する制度です。
現代社会では、SNSやインターネットの発達によって多岐にわたる通信手段が存在しますが、トラブルが発生した際、郵便送付の事実そのものや、通知内容が争われる場合が多く存在します。
このような事態を避けるために有効な手段として、内容証明郵便が利用されます。
特に訴訟や実務の現場において、内容証明郵便はかなり有用な手段と認識され、かつ多く利用されています。
書留郵便との違いについて多く質問を頂きますが、書留の場合配達の記録は残りますが、配達物の内容まで証明するものではないため、この点で内容証明郵便との差異があります。
この点は後に訴訟になった際に、証拠としての強さに影響するため注意しましょう。

2.効力

内容証明郵便には、相手方に対する法的拘束力はありません。
加えて相手方も、内容証明郵便に返信する義務が生じることもありません。
しかし、相手方は確実に心理的圧迫を覚えます。
弊所では内容証明郵便を月に数十通以上作成しておりますが、内容証明郵便の作成に慣れていた場合であっても、外部からの内容証明郵便の開封時は相当に緊張するため、一般の方に与えるプレッシャーはとても大きいものと考えられます
弊所では、内容証明郵便の作成だけでなく、内容証明郵便を誰かから受け取った方の相談もお受けしておりますが、内容証明郵便を受け取ったことで実生活に影響があるケースを多く見てきました。

3.内容証明郵便を利用するケース

内容証明郵便を用いる場面はさまざまですが、一般的には以下の通りです

➀商品代金や、作業代金、慰謝料の請求
➁時効の更新
➂クーリングオフの利用
④債権譲渡の通知
⑤契約解除
⑥相手方とのトラブルが懸念される際、何らかの記録を残す
⑦訴訟や支払督促等の法的手続を考慮している
⑧その他、重要な内容を通知したい

4.内容証明郵便を避けるべきケース

内容証明郵便は「よく切れる刀」と表現されることがあります。
これは内容証明郵便の有効性と、使い方を誤るとトラブルの発生要因となることを表しています。
以下の様な場面では注意が必要です。

➀訴訟に持ち込みたくない場合
➁相手方が誠意ある対応を行っている場合
➂当方に非がある場合
④相手方と今後、良好な関係を維持していきたい場合
⑤相手方が財産隠しを行う可能性がある場合

内容証明郵便の送付は取り下げることができないため、送付する場合は細心の注意を払いましょう。

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