一般的に内容証明郵便といえば、紙に書いたり、パソコンで作って印刷したりして送るものでした。
しかし、時代の変化とともに、書類はパソコンで作るようになり、発送もメールなどになっているのは周知の事実です。
内容証明郵便も例外ではなく、電子化できるようになっています。
電子内容証明郵便とういう形のサービスで利用できるようになりました。
現在の内容証明郵便の大半は、この電子内容証明郵便を使うようになってきているのです。
電子内容証明郵便の特徴は、インターネットを通じて内容証明郵便サービスを利用できる点です。
つまり、郵便局に行くことなく利用できます。
それも24時間利用できるのは、大きなメリットになるでしょう。
サービスとしては大きな違いはなく、印刷から発送まですべて郵便局が行ってくれます。
郵便局で待つ必要もありませんし、自分で印刷することもありません。
封筒も用意がいりませんし、判も押さずに送れるのです。
内容証明郵便を扱っていない郵便局がある一方で、電子内容証明郵便はどこでもいつでも使えます。
発送方法が根本的に異なるためであり、同じ文章を三通作る必要もありません。
ただし、グレーの封筒に特別な押印もなく送るため、受け取った人に圧力をかけにくい問題が残ります。
もちろん、文章内にはいろいろなことを記載できますが、第一印象の強さは発揮できないのです。
電子内容証明郵便は、一般の内容証明郵便とは違う書式になります。
実は電子内容証明郵便には、文字数制限がありません。
つまり、何行で書いても問題ないのです。
ただし文字の大きさにはきまりがあり、10.5ポイント以上450ポイント以下でなければいけません。
書式としてはA4判縦書きか、横書きになります。
余白に決まりがあるため、ある程度の余裕をもって作らなければいけません。
この条件から考えても、無制限ではないことがわかるでしょう。
読めない書面を作っても、効果はあげられないからです。
文字数はだいたい1500文字あたりを目安にするといいでしょう。
このあたりであれば、必要な内容は網羅しつつ、読みやすい内容が作れるからです。
使用できる文字の種類は、JIS第一第二水準の範囲のみになります。
外字の使用は対応していないため不可で、装飾は太字と斜体しか使えません。
図表の使用も認められないため、注意が必要です。
電子内容証明郵便の場合、一般の内容証明郵便よりコストが安く済みます。
一通あたりで見ると高くなるように見えますが、一般の内容証明郵便は同封する枚数によって料金が変わる料金体系です。
1枚の用紙に書ける文字数は決まっており、電子内容証明郵便よりもかなり少なくなります。
電子内容証明郵便は、文字数制限がありません。
つまり、必要な文字数が増えると、1枚に書ける文字数が多い電子内容証明郵便のほうがお得になるのです。
実際に使う場合、1行にぎっしり文字を詰めるわけではありません。
読みやすく伝えることも必要となるため、どうしても枚数が増えます。
3枚程度は必要となることから、電子内容証明郵便のほうがお得感が増すのです。
支払方法としては、電子内容証明郵便はクレジットカードが使えます。
一般の内容証明郵便が現金か郵便切手でのその場の支払いになるのに対し、料金後納も選択できるのがメリットです。
電子証明郵便は、Wordで作成して、インターネットで郵便局に送る方法です。
普段から文書を作っている人ならわかりますが、電子印鑑はあっても、本当に判を押せません。
電子状のデータだから当然です。
そのため、電子内容証明郵便でも押印は必要ありません。
枚数が増えても押さないで済みますし、効力としても変わらないのです。
そもそも押印とは、文書の真正を証明するためのものです。
署名した後に押印することによって、それ以上書き込まれないようにすることも効果のひとつになるでしょう。
なぜなら、押印した上に文字を書けば、どちらが上か見ればわかります。
つまり、署名した後に押印することで、書き込まれにくい状況を作れるのです。
ですが、そもそも実印でもなければ、偽造できる可能性は高まります。
実印は登録するため、まだ本物であることを証明しやすい方法です。
それでも現在の技術をもってすれば、寸分と変わらぬものを作り出すこともできます。
そうなると、押印すること自体の意味がだんだん薄れてきているのです。
電子内容証明郵便の場合、電子署名が付きます。
電子署名とは、電磁的記録であり、作成したことがはっきりと残る方法です。
法律的に見ても、電子署名及び認証業務に関する法律第2条に
一 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
二 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
とされています。
これが押印の代わりになるため、法律的に見ても押印が必要ありません。
業務効率化のカギを握るシステムですが、複雑な仕組みで構成されており、簡単に偽造できないからです。
そのため、電子内容証明郵便では、押印そのものの必要がなくなっているといえます。