仲の悪い親族と絶縁したい

導入

家族や親族とのトラブルに関するご相談を多く承っております。中でも、感情的なやり取りを避けるために、内容証明郵便での意思表示をご希望される方は少なくありません。

今回ご紹介するのは、長年疎遠だった兄から急に接触を求められた方の事例です。ご相談者様は、相手と直接話すことでトラブルが悪化することを避け、法的に記録が残る「内容証明郵便」によって絶縁の意思を明確に伝えたいと希望されました。

この記事では、実際の相談内容を元に、内容証明で意思を伝える際の注意点や送付の方法について解説します。

この記事でわかること

  • 行政書士に内容証明の作成を依頼するメリット
  • 親族間トラブルへの冷静な対応方法
  • 内容証明を送る際の注意点と手続きの流れ

背景・基本知識の解説

行政書士は、権利義務や事実証明に関する書類の作成を専門とする国家資格者です。特に内容証明郵便の作成や契約書の整備は、第三者的かつ冷静な立場から文章を整えることが求められるため、専門家に依頼することで、感情に左右されない適切な対応が可能になります。

内容証明郵便とは、日本郵便が提供するサービスで、差出人がいつ、誰に、どのような内容の文書を送付したかが公的に記録されるものです。法的な強制力はありませんが、後々の証拠として使うことができる点で非常に有効です。

家族間の問題は、当事者同士で話し合おうとしても感情的になりやすく、言った言わないの争いに発展することが少なくありません。特に長期間の疎遠や過去にトラブルがあった関係では、再び会うこと自体が精神的負担になることがあります。

「会って話したい」と言われても、それが心理的プレッシャーになる場合は、無理に応じる必要はありません。法律上、誰かと会わなければならない義務は基本的にありませんし、意思を文書で示すことで、関係を穏やかに整理する方法も選べます。

よくある誤解として、「内容証明を出すと大げさになるのでは」と心配される方もいますが、内容証明は単に記録を残すための手段であり、冷静かつ理性的に意志を伝える方法として有効です。

具体的な事例紹介

今回のご相談は、15年近く疎遠だった実の兄から、父親の死をきっかけに「話し合いたい」と接触を求められた方からのものでした。兄は過去にも感情的な言動が多く、冷静な会話が成立しにくい相手であったため、相談者は再会による精神的負担を避けたいと考えていました。

相談者は、すでに自身の意思を記した手紙の草案を準備しており、それを内容証明郵便として送付する方法についてご相談されました。特に、相手に住所を知られたくないというご希望があり、行政書士を通じて第三者送付方式で対応する形を選択しました。

このケースでは、手紙の文面は「感情的な表現」を極力避け、「今後一切の関係を持たない」という意思を冷静かつ明確に記載しました。また、過去の経緯についても必要最低限にとどめ、相手を非難する内容にならないよう注意しました。これは、トラブルの再燃や名誉毀損などのリスクを避けるためです。

内容証明郵便の差出人を当事務所とし、相手方には相談者の氏名のみを記載しました。これにより、相談者の住所などの個人情報が相手に渡らないように配慮しました。行政書士が代行送付することで、送付人の匿名性をある程度保つことが可能です。

また、別の事例としては、兄弟間の遺産分割に関して感情的な対立が続いていた方が、内容証明を利用して今後の接触を拒否する意思を文書で伝えたことで、以後一切の連絡が途絶えたというケースもありました。

さらに、相談が遅れたために、自らの意思を十分に示せず、相手側に一方的に主張されてしまったという事例もあります。法的な対抗手段が取れない状態に陥る前に、早期の対応が重要です。

アドバイス

家族との関係に悩み、内容証明郵便で対応したいと考えた場合は、まず専門家への相談が有効です。行政書士に依頼する際は、文面の草案や経緯を整理して伝えることで、よりスムーズに対応できます。

一般的な流れとしては、最初に相談内容のヒアリングを行い、その後、草案の修正や法的リスクのチェックを経て、最終的な文書を作成します。内容証明郵便の差出人を行政書士名義とすることで、相手に住所などの個人情報を知られることなく送付することも可能です。

自分で対処したい場合でも、文章の構成や文言には十分注意する必要があります。感情的な言い回しや攻撃的な表現は避け、冷静かつ事実に基づいた文面を心がけてください。

また、「出さずに迷っているうちに連絡が来てしまった」「手紙を出すタイミングを逃した」というケースでは、対応が後手に回り、精神的な負担が大きくなることもあります。まずは専門家に相談し、適切な対応方法を確認することが重要です。

まとめ

長年疎遠だった家族から突然の連絡があり、直接会って話すことを求められた場合、精神的な負担や過去のトラブルを再燃させてしまうリスクがあります。そのようなとき、感情に左右されず、自分の意思を明確に伝える手段として「内容証明郵便」を活用する方法があります。

行政書士に依頼すれば、法律的な観点から文面の表現を調整し、過度なトラブルを回避しながら、自分の立場を相手に明確に伝えることができます。住所を公開したくない場合でも、専門家を介することで匿名性を保ったまま送付する対応が可能です。

「家族だから話し合うべき」という考えに縛られず、自分の精神的安定を守る選択を取ることが大切です。冷静に、記録として残る対応を選ぶことで、将来の不安を減らすことができます。

内容証明郵便や契約書作成など、個人の権利を守るための書類作成を多数取り扱っております。迅速な対応と丁寧な説明を心がけ、ご不安に寄り添う姿勢を大切にしています。

ご相談は、お電話またはウェブサイトからお気軽にお問い合わせください。

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