債務不履行に対して内容証明を送るには?行政書士が解説する通知の基本と注意点

はじめに:債務不履行があった場合の初動対応は「記録に残す通知」が基本

リーリエ行政書士事務所では、契約当事者から「契約通りに支払いが行われない」「納品が約束の期日にされない」など、債務不履行に関するご相談を数多くお受けしています。

こうした状況で「電話では話が進まない」「証拠が残らない」という場合、内容証明郵便による催告・通知が有効な対応手段となります。法的措置に移る前に、まずは正式な意思表示を記録として残すことで、トラブルの早期解決につながることもあります。

この記事では、「債務不履行」に対する内容証明の役割と使い方、文書の構成、送るときの注意点について解説します。

この記事でわかること

  • 債務不履行とは何か、どのような契約違反が該当するのか

  • 内容証明で通知する目的と効果

  • 文面作成のポイントと注意点

  • 行政書士がサポートできる内容

債務不履行とは?契約に違反した状態をどう扱うか

法律上の「債務不履行」とは

債務不履行とは、契約や法律で定められた義務(債務)を、相手が履行しない、または不完全に履行した状態を指します。民法では、債務不履行があった場合、損害賠償請求や契約の解除が可能とされています。

たとえば以下のような行為が債務不履行に該当します。

  • 期日までに商品を納品しない

  • 貸付金の返済期限を過ぎても支払われない

  • 請け負った業務を途中で放棄した

  • 契約通りの品質でサービスを提供していない

債務不履行が疑われたら、まず「催告」から

民法では、原則として「相手に履行を催告したうえで、それでも履行がなければ契約を解除できる」とされています。したがって、まずは催告書を内容証明で送付し、履行を求める手続きを行うことが重要です。

内容証明郵便による通知の効果とは?

なぜ内容証明郵便を使うのか?

内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どんな内容を送ったか」を郵便局が証明してくれる制度です。債務不履行の場面では、口頭やメールでのやり取りでは証拠になりにくいため、文書による通知が不可欠となります。

また、相手方に「法的手続きを検討している」という意思を明確に伝えることができ、プレッシャーを与える効果もあります。

証拠として残るからこそ慎重に

送付した内容証明は、後に裁判や調停となった場合にも「催告の事実」や「契約解除の意思表示があったこと」を証明する有力な資料となります。したがって、事実に基づき、冷静で論理的な表現にすることが求められます

債務不履行に対する内容証明の文面構成

文面に盛り込むべき基本項目

  1. 契約の内容と日付(例:令和〇年〇月〇日締結の業務委託契約)

  2. 相手方が履行していない事実(支払いや納品がされていない等)

  3. 具体的な履行の要求とその期限

  4. 期限内に履行がない場合の対応方針(契約解除や損害賠償請求の可能性)

  5. 差出人の署名・押印・日付

例文(抜粋)


令和〇年〇月〇日

〇〇株式会社 御中

通知書

貴社と令和〇年〇月〇日に締結した〇〇契約に基づき、〇月〇日までに代金〇〇円の支払いをお願いしておりましたが、現在に至るまで一切の支払いが確認できておりません。

つきましては、本書到達後〇日以内(令和〇年〇月〇日まで)に上記金額を下記口座へお振込みいただきますよう、正式に催告いたします。

期限までに履行がない場合は、当該契約を解除し、損害賠償請求を含めた法的手続を検討いたします。


このように、事実と請求を簡潔かつ明確に記載することがポイントです。

内容証明郵便の送付方法と注意点

書式と手続き上のポイント

  • 1行20文字以内、1枚26行以内の制限があるため、簡潔な文章が求められます

  • 原本と謄本2部(計3部)を用意し、郵便局の窓口で手続きします

  • 配達証明を付けると、「届いた日」も証明可能になります

送付先の住所や宛名(法人名や担当者名)を間違えると、無効になるリスクがあるため、事前に契約書等で正確な情報を確認してください。

内容証明の前に確認すべきこと

  • 本当に債務不履行に該当するのか

  • 履行期限や条件に誤解がないか

  • 契約解除に至る場合の条件を契約書で確認済みか

これらを確認しないまま通知すると、逆にこちらが不利になるリスクもあります。

行政書士による支援内容

文案作成から郵送手続きの指導まで対応可能

リーリエ行政書士事務所では、債務不履行に関する内容証明の文案作成、記載内容のチェック、郵送方法の指導まで一貫してサポートしています。ご自身で対応が難しい場合、文書作成のプロに依頼することで、より確実な意思表示が可能になります。

また、契約書の精査や解除要件の確認もご相談いただけます。

まとめ:債務不履行への対応は早期かつ記録に残る行動を

相手方が契約通りに義務を果たさない場合、口頭の催促だけでは事態は進展しません。内容証明郵便による正式な催告は、次の法的ステップへの布石であり、記録を残す重要な手段です。

「支払ってくれない」「納品されない」「約束を守ってくれない」といった悩みがある方は、まずは冷静に文書で通知することを検討しましょう。

リーリエ行政書士事務所では、債務不履行に関する通知文書の作成、契約書確認、将来の法的リスクに備えるアドバイスを提供しています。江東区を中心に、全国からのご相談にも対応しております。お気軽にご相談ください。

詳しくは こちらのサイト をご覧ください。

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