内容証明郵便は、ただ送れば良いというわけではありません。
サービスを利用する以上、効果を上げなければいけないでしょう。
そうでなければ、無駄骨になってしまうからです。
では、どうしたら効果を上げられるでしょうか。
目的によっても違いはありますが、書式によって理解できる内容、感じ方も違いが出てくるのは当然です。
つまり、文書としてもわかりやすく、心理的に効果を上げられる書き方にしなければいけません。
ポイントを抑えなければ、役に立たない内容証明郵便になる可能性も出てきます。
内容証明郵便では、必ず記載しなければいけないことが決められています。
逆に記載しても記載しなくてもいい事項もあることを理解しなければいけません。
内容証明郵便を送る以上、受取人の住所氏名は必ず記載しなければいけません。
誰に送ったのかがわからなければ、間違った相手に送っているかもしれないからです。
同時に差出人の住所氏名も必要になります。
これは義務付けられている内容です。
ですが、押印は義務付けられていません。
ただし、信憑性をあげるという意味では、氏名のあとに押印した方が良いでしょう。
必ず必要になるのが、書面が2枚以上ある場合には、綴り目に印を押すことです。
これを契印と呼びます。
書類が複数枚あり、それらが連続していることを示す印です。
これがないと、どこかで混ざったか、入れ込まれた可能性が出てくるため、正式な書類として認められません。
差出人の印章となりますが、実は契印と彫られているものでも代用可能です。
少し特殊なケースになりますが、複数人で内容証明郵便を出したい場合、必ず全員分の住所氏名が記載されなければいけません。
漏れていると受け付けてもらえないので注意が必要です。
特に忘れやすいのが封筒の裏側で、ここにも全員分記載されていなければいけません。
ですが、提出文書は一通で問題ないため、人数分作る必要はないのです。
差出人が複数の場合もあれば、受取人が複数の場合もあるでしょう。
この場合には全員に同じ文書が送りたい場合があるはずです。
そこで完全同文内容証明郵便というサービスを利用します。
このサービスは受取人が複数いても中身は同じという内容証明郵便です。
逆に全員に違う文書を送るケースもあるでしょう。
少しややこしいケースになりますが、この場合は不完全同文内容証明郵便というサービスになります。
そうなると文書の内容が変わってくるため、人数分だけ文書が増える点に注意が必要です。
さらに封筒の数も必要になる点に注意しなければいけません。
この不完全同文内容証明郵便は、費用がかなりかかりますが、複数に送ったことはわからない仕組みです。
送った相手に知られたいかどうかで利用方法を考えてみるといいでしょう。
自分自身で内容証明を出せないケースも出てきます。
誰かに代わってもらう場合です。
誰かに書いてもらって自分でその後の交渉をする場合には、自分の氏名住所を記載しなければいけません。
しかし、すべてを代わってもらう、委任する形になる場合には、代理人の明記が必要です。
内容証明郵便として必須ではありませんが、効力を上げるためには書かなければいけないものが出てきます。
心理的影響を与えるためにも、大事なポイントです。
どのような内容なのか理解してもらうため、表題となるタイトルが必要です。
タイトルを見た瞬間にこの書類はどのようなものなのか、心理的プレッシャーをかけられます。
タイトルは義務付けされていませんが、内容がわかるほうが、メリットが生まれてくるでしょう。
どのような内容にすべきかわからないときは通知書という形をとります。
文章の書き方にもいろいろとありますが、時候の挨拶などを入れようとする方も多いでしょう。
関係性が近い人に内容証明郵便を送る場合には、挨拶から始める方法もあります。
しかし緊急性が高い内容の場合は挨拶などいりません。
内容証明郵便で効力を上げたいにはいくつかのポイントがあります。
行政書士など専門的な知識を持つ者が作成するのが一番ですが、自分たちがいったい何を作るのか、どのような主張をしたいのか考えてみることも大切です。
なぜ内容証明郵便を送ることになったか、事案の順序や内容を正確に説明しなければいけません。
これが事実と異なると、正確性をかくこととなり、後で無駄な争いに発展する可能性が出てくるからです。
一体何を言いたいのか、何を請求したいのかがはっきりしなければいけません。
意思表示がしっかりしていなければ、内容証明郵便としての役割を果たせないでしょう。
法的な主張や請求の場合には、根拠となる法令等をしっかりと明記することが大切です。
いついつまでに返答して欲しいのか、支払期限なども明確にしなければいけません。
線引きをしっかりしておく、次の提案を打つ予定を明確にできるからです。
期限を明確に区切るとともに、過ぎた場合にはどのような手段を取るか明確にしておく必要があります。
例えば法的根拠がある場合には、判例などをもとに伝えるといいでしょう。