内容証明郵便の使い方:退職者と機密保持情報

会社に勤務している間に仕入れた機密情報と退職後の重大な問題

会社勤めをしていると、多かれ少なかれ、さまざまな情報と接します。

情報は一般的なものもあれば、会社の経営を揺るがすような機密に関わるものもあったりするのです。

そのため会社は、情報を外に持ち出さないように管理します。

外部に対し持ち出しや漏洩しないことの契約を結ぶこともあるわけです。

例えば顧客情報は、外部に漏れると大きな損害を生み出すのは間違いありません。

このような情報を持ち出されないようにするため、機密情報保持誓約書などを交わします。

業務上の秘密を保持することを約束させる為の書面であり、業務上知り得た秘密に関しては情報漏洩や生理用をさせないそのためにも重要な書類です。

しかし、現実的には、いくら書類を交わしておこうが、持ち出すような人も現れます。

このようなケースで内容証明郵便を使うことがでてくるのです。

情報漏えいと内容証明郵便

大前提として、機密情報を持ち出した段階で重大な犯罪行為です。

刑事告訴や損害賠償請求もできます。

ですが、刑事告訴をしたとしても、被害がおさまるわけではありません。

それどころかもっと大きな被害を生み出す可能性も出てきます。

大事なことはできるだけ早く情報を利用させないようにすることであって、訴訟を起こすことをではありません。

被害を最小限に抑え、一刻も早く火消しをしなければいけないからです。

事実関係の調査

まずは情報漏洩しているか、事実関係を調査することから始めなければいけません。

退職者が機密情報をどこから手に入れたか、どのような情報まで手に入れているかを把握する必要があります。

特に何らかの被害が発生している段階では、退職者が持ち出したことを立証するための証拠が重要です。

ただし、時間とともに被害は拡大して行くため、早急な対応が必要となります。

聞き取り調査

会社の中には漏洩された情報に関して、関係している人材が多方面にいるはずです。

退職者の上司はもちろんのことですが、同僚などにもどのような手法など機密情報を持ち出したのか、調査して把握しなければいけません。

これものちに証拠となる可能性が高いため、録音や録画メモを取っておくと良いでしょう。
情報収集の記録は必ず必要になるからです。

退職者に対する内容証明郵便での警告

退職者が情報を持ち出し漏洩や拡散していることがハッキリした段階で、内容証明郵便で警告します。

法的措置の検討もした上での内容証明郵便となりますが、情報というものは時間とともに、驚くべき速度で拡散するため素早く行動しなければいけません。

特にインターネット社会となり拡散速度は、以前よりも格段に速くなりました。

退職者本人が意図して拡散している場合も同様ですが、意図していない漏洩で多方面へ拡散して行くと、時間とともに手が打てなくなるのです。

できるだけ早い段階で、内容証明郵便を使い警告する必要があるでしょう。

内容証明郵便でも重要なことは、情報を持ち出したことが分かる証拠の存在です。

内容証明郵便でも証拠があることをはっきりと伝え、刑事告訴や損害賠償請求を予定していると伝える必要があります。

退職者に対しこれは警告であり、その後の行動を示唆しているという意味を伝えなければいけません。

行政書士等専門家の署名も有効となるため、依頼して対応することも必要です。

特に行政書士であれば、安価で素早く対応してくれるでしょう。

内容証明郵便では収まらない場合と仮定しているのであれば、弁護士に依頼するのも方法です。

ですが、時間をかければかけるほど不利になるため、まずは行政書士に依頼しできるだけ早く手を打つ必要もあります。

この場合業務提携先として弁護士事務所がある行政書士であれば、安心して依頼できるでしょう。

機密保持情報の損害を防ぐために

内容証明郵便を使って警告をすることはできますが、何よりも秘密保持義務を発生させていなければいけません。

秘密保持義務とは、会社の経営上の秘密がノウハウなどを承諾なく使用や開示してはならないという義務です。

この義務を課すためにも、しっかりとした契約を結んでおかなければいけないでしょう。

退職後に秘密保持義務が発生するかという問題もあります。

実は二つの根拠があり、1つは労働契約上の義務で、もう1つが不正競争防止法上この営業秘密の保護です。

労働契約上の義務としては、就業規則や誓約書を書いていないと認められません。

不正競争防止法では、就業規則や誓約書がなくとも営業秘密保護の根拠となります。

ただし、不正競争防止法2条6項の営業秘密に該当することを証明しなければならないハードルがあるのです。

請求できる内容にも違いがあるため、どちらを根拠とするか検討しなければいけないでしょう。

このあたりの判断は意外と難しいことも多くなるため、行政書士など労働問題にも明るい専門家と協議して決めることが必要です。

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