賃貸借契約更新で賃料増額だけを理由に継続を拒否されたときの対応ガイド

リーリエ行政書士事務所(東京都江東区)では賃貸借契約関連のご相談を多く受けております。いざ契約更新となった時、オーナー様から「更新する?しないの?据え置きで更新お願いしたい」と申し出ても「無理だ」と一方的に断られ、「賃料を上げられないなら終了でいいですね?」と告げられるケースが増えております。借主としては、普通賃貸借契約で継続できるのでは、と迷ってしまうことでしょう。本記事では、普通賃貸借契約において賃料増額のみを理由に更新を拒まれたとき、借主がどのように対応できるのか、その法的背景と具体的な対処方法をわかりやすくご紹介します。

この記事でわかること

  • 普通賃貸借契約の更新ルール
  • オーナーによる増額要求の法的要件
  • 借主が取れる対応策
  • 専門家への依頼のポイント

賃貸借契約の基礎知識と更新時のルール

普通賃貸借契約では、契約更新に際して特にオーナーの一方的な意思で打ち切ることはできず、現行条件での継続が原則です。借地借家法では、貸主も借主も「賃料の増減を請求する権利」を有すると定められていますが、それはあくまで「正当な理由」があるときに限られます。

「正当な理由」とは、たとえば土地や建物にかかる税金等の負担の増加、経済事情の変化、周辺類似物件との賃料差など、法が示す要件を満たす場合です。オーナーの「収入を増やしたい」といった自己都合は法的に認められません。

また、借地借家法上、一方的に更新拒否をしたい場合には「正当事由」が必要です。単に賃料を据え置く借主に対して「増額しなきゃ更新しない」という主張は、有効な更新拒否とは言えません。

賃料増額を一方的に求められた事例紹介

事例1:オーナーの一方的な通告

オーナーから「据え置き更新をお願いしたい」と依頼したが「無理」と断られ、「賃料上げられないなら終了でいいですね?」と言われた。そこで「普通賃貸借なので継続になります」と伝えたが、「増額じゃなきゃ無理」の一点張りだった。

法的評価と対応の考え方

普通賃貸借契約では、借主は現行の賃料を払い続ければ、更新拒否には応じず継続できる法定更新が認められます。オーナーが家賃増額を求めるには、借地借家法に基づく正当な理由が必要です。したがって、「増額でなければ終了」は法的に無効である可能性が高いです。

対応の工夫と交渉の進め方

オーナーに対しては、まず増額の理由や根拠資料(周辺相場、固定資産税の増減など)の提示を求めます。それを確認したうえで、賃料の妥当性を判断し、必要であれば交渉を行います。メールや書面で「現状の条件で更新を希望する」意思を明示し、証拠として残すことも重要です。

家賃供託の活用や調停対応

オーナーが現行家賃の受け取りを拒む場合は、法務局に供託することで支払い義務を果たすことが可能です。それでも合意に至らない場合は、調停や訴訟で解決を図ることになります。

拒否できる?増額交渉の対応方法

借主の立場でできることとして、オーナーに増額の根拠資料を求めることが基本です。これにより、要求が妥当かどうかを判断できます。また、交渉に際しては、「増額には応じられないが、更新を希望する」と伝えることで、一方的な終了を防ぎやすくなります。

必要に応じて内容証明郵便での意思表示や、専門家への相談を通じて、正しい法的対応を行うことが肝要です。

まとめと行政書士への相談のすすめ

普通賃貸借契約においては、オーナーの一方的な意向で契約を終了させることはできません。増額要求にも正当な理由が求められ、借主は現状賃料での継続を主張することができます。

まず行うべきは、増額理由の確認と、現行条件での更新希望の意思表示です。そして、賃料を支払い続ける姿勢を保ちつつ、必要に応じて供託や調停といった対応に進みます。

リーリエ行政書士事務所では、内容証明郵便の作成や契約書のチェック、オーナーとの交渉支援も承っております。賃貸借契約でお困りの際は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
詳しくは こちらのサイト をご覧ください。

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