過去に縁を切ったはずの親族から突然連絡が届き、不安を感じているという悩みを度々お受けします。
特にその内容が威圧的なものであれば、どこに相談すべきか迷ってしまうことでしょう。
今回はそのような状況で行政書士ができる支援についてお話しします。
この記事では、音信不通だった親族から職場や自宅に行くと脅された際の具体的な対処法について解説します。特に、相手に恐怖心がある場合に、なぜ個人ではなく専門家の名前で通知を送るべきなのか、その理由や内容証明郵便という手段の有効性について知ることができます。
ここで一つ、架空の事例をご紹介します。あくまで具体例としての想定ですが、同じような悩みを抱えている方は多いはずです。
ある日、夫のもとに、長年絶縁状態だった実の父親から手紙が届きました。その父親は過去に親族へ暴行を加えたり、離婚した元妻の自宅に刃物を持って押しかけたりしたことがある、非常に気性の激しい人物でした。手紙には、連絡に応じないなら職場や自宅に押しかけるという脅しのような文言と、金銭や財産を要求するような内容が記されていました。
夫と私は、もし本当に家に来られたらという恐怖で夜も眠れません。自分たちで「会いたくない」「渡せるお金はない」と返事を出そうかとも考えましたが、直接反論することで相手をさらに逆上させてしまうのではないか、今の住所を知られている以上、刺激しすぎるのは危険ではないかと動けなくなってしまいました。このような場合、どのように毅然とした態度を示すべきかが大きな課題となります。
今回のケースに関連して、知っておくと役立つ言葉を二つご紹介します。
一つ目は内容証明郵便です。これは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったのかを郵便局が公的に証明してくれるサービスです。単なる手紙とは異なり、こちら側の意思を明確に伝えたという証拠が残るため、法的なトラブルを未然に防いだり、警告を与えたりする際に非常に有効です。
二つ目は受取拒絶です。これは届いた郵便物を開封せずに、受け取りを拒否して差出人に戻す手続きのことです。相手との関わりを一切持ちたくない意思表示として使われることもありますが、今回のように具体的な脅しがある場合は、中身を確認した上で適切に反論を記録に残すほうが安全な場合もあります。
事例のようなケースでは、ご自身で手紙を書いて送ることも可能ですが、それには大きなリスクが伴います。相手が感情的な人物である場合、家族からの反論を「自分への攻撃」と受け取り、より執拗に付きまとってくる可能性があるためです。
そこで、行政書士などの専門家名義で内容証明を出すという選択肢があります。第三者である専門家が介入し、客観的な事実に基づいて「訪問は控えてほしいこと」「要求されている財産は存在しないこと」を論理的に伝えることで、相手に対して心理的な抑止力を働かせることができます。
また、文章の中に「今後の連絡は本人ではなく、書面で行ってください」といった文言を盛り込むことで、直接の接触を避ける道筋を作ることができます。自分たちだけで判断せず、専門家の名前を借りて毅然とした拒絶の意思を示すことが、平穏な生活を取り戻すための第一歩となります。
絶縁した親族からの不当な要求や脅迫的な連絡に対して、一人で抱え込む必要はありません。まずは相手の要求には応じられないことを丁寧に、かつ明確に説明する必要があります。その際、ご自身で対応して状況を悪化させるのではなく、専門家を代理人や作成者として立てることで、冷静な解決を目指すことができます。内容証明郵便を活用し、毅然とした態度を形にすることが、家族を守るための有効な手段となるでしょう。もし似たような状況で不安を感じている場合は、早めに身近な専門家へ相談することをお勧めします。